出版時間:2007/1/31 出版社:マガジン?マガジン 作者:鹿乃しうこ
Tag標(biāo)簽:無
內(nèi)容概要
「可愛気」に出てきた、鳶職の中野と目白のお話の続き。
中野の秘められた過去の悲慘さは、前作でもある程度語られていましたが、今回はさらに暗部がえぐりだされ、しかもそこから生きた亡霊がわいて出てきて、害蟲の如くねちゃねちゃとからみつくという展開で、途中、読んでいていささかきつい部分もありました。
中野という人はよほど運(yùn)命にいじめられやすい體質(zhì)なのでしょうか。彼自身には、もともと何の落ち度もないのだろうに、子供時代のレイプからはじまって、いじめに集団暴行、過剰防衛(wèi)のあげく少年院行き、所內(nèi)での暴行被害、退所後の恐喝被害など、ちょっと勘弁してやって欲しいというぐらい、あんまりな目に會っています。
神様(作者)もちょっと彼に意地悪しすぎという気がするのですが、中野の心の強(qiáng)さが並大抵ではないからこそ、そこまで手加減なしの過去になったのか、という気もします。
他人の、それも集団の醜い欲のせいでボロボロにされ続ける體験を経ていながら、人間不信の偏屈者になっただけで、心の中までねじまがることなく、好きな人を真っ直ぐに想う気持ちが完全に無傷なまま殘っているというのは、ほとんど奇跡のようです。子供のころから中野を見守ってきた昴成の存在も大きかったのでしょうが、中野が一貫して、昴成に対して何も求めてこなかったことを思えば、やはり人間としての強(qiáng)さがもともと桁外れだったのだろうと思う他はありません。
中野の過去の痛みや悲しみがあまりにも強(qiáng)いので、目白とうまくいっているときの極甘さが、いっそう歯にしみるというか、雙方のギャップにめまいがしそうになりますが、そこがこの作品の魅力であるのかもしれません。これからも二人の間には、過去からわいて出たような害蟲が割り込んで、愛と平和を食い荒らそうとするのかもしれませんが、中野を受けとめるために否応なしに大きな人間になっていく目白が、きっと全部、愛と正義のバンジージャンプで退治するに違いありません。
蛇足ですが、チーム昴成に新たに加わった黒田くんが、今回、いろいろ都合よく目撃するだけの、ストーリー展開用のパシリみたいな役回りだけで終わったのが、ちょっと気の毒でした。彼も「Punch↑」の大木くんのように、別の作品でいきなり主役に成り上がったりすることがあるのかなと想像していますが、相手が有坂というのだけは勘弁してほしいです。それとお話が進(jìn)むにつれて、目白がだんだん、髪の毛を脫色した純佑に見えて仕方がありませんでしたが、気のせいだろうと思います。
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