出版時間:1984-1 出版社:吉川弘文館 作者:武田 佐知子
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內容概要
第7回(1985年) サントリー學蕓賞?思想?歴史部門受賞
日本古代史の研究は、微に入り細にわたって積み重ねられており、余程の異なった視座からでなければ、新橫軸の照射が難しい分野である。そのように甚だしく細密化された領域で、武田佐知子は最も根本的な次元に於いて設問し、興味津々たる分析と論理を簡潔に展開している。
著者は自己の問題意識を次の如く縮約する。すなわち「日本古代の服飾に関する研究は、江戸時代以來、膨大な業(yè)績の蓄積を見るが、それらはいずれも、衣服やそれに付隨する冠や帯等の、具體的事物そのものを考察の対象として行われてきたといえよう。つまり人體を離れて存在する衣服そのものに照準をしぼって、考察が重ねられてきたのである。たとえば埴輪像についてはその衣服だけを、著用する人物とは切り離して考察の対象としてきたところに問題があり、そこにこれまでの服飾史の限界があったと私は考える。つまりこのことが、衣服史を、単なる服飾の制度の変遷史といった、いわば靜的?表層的な次元におしとどめる要因となってきたといえよう。しかし歴史學の立場からすれば、埴輪像の著用する衣服についての考察は、それがその著用者にとって、また著用者の周囲の人間にとって、どのような意味を持つかまでを考えることによって、はじめて完結するといえるのではないだろうか」。つまり著者の発想は服飾史を通して、社會の構成および人間の劇を見出そうとする。
たとえば「人物形象埴輪の出現は」「五世紀後半から七世紀にかけての古墳時代後期に限定され」「主に関東地方に集中しているという事実」、および「我國の古墳時代の遺跡から発見される馬具は、高級品が主體で、実用品に乏しいという事実」から、「我國において乗馬は、當初は儀仗用が主であった」と推論する著書の見解は、そこから生じるであろう様ざまな問題を示唆している。
更にまた「袴は律令國家、ひいてはその頂點に位置する天皇に対して、官人以下奴に至るまでが、階級的に分化しているにもかかわらず、一律?平等に従屬と奉仕の関係に入ることを表象している」との指摘など、著者は広く「東アジア世界における國家の形成と身分標識」を見渡し、広く文獻を精査しながら、「我國では奴婢を除外して良人のみが、擬制的にせよ共同體として結束しようとする意図は、稀薄であったといわざるをえない」という風に、重要な推論を數多く提示し、読者を刺激的な興奮へ誘っている。
谷沢 永一(関西大學教授)評
作者簡介
武田 佐知子(たけだ さちこ、1948年 - )は、日本の歴史學者。大阪大學教授。専門は日本古代史、服裝史、女性史。文學博士。
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