出版社:早川書房 作者:原 尞
內(nèi)容概要
西新宿の探偵事務(wù)所に詰めている沢崎が活躍する短篇集。一匹狼として、組織に縛られずに行動する姿、時折口にする灑落た臺詞など、沢崎には、フィリップ?マーロウを彷彿させる私立探偵の匂いがしますね。この短篇集には、十代の少年と少女が事件に深く関わる話が、六つ、収められています。
著者のデビュー作『そして夜は甦る』のあとに書かれた「少年の見た男」「子供を失った男」「二四〇號室の男」、第二長篇『私が殺した少女』執(zhí)筆中に書かれた「イニシアルの男」、そのあとに書かれた「歩道橋の男」「選ばれる男」の六篇。これに、本文庫のための書き下ろしとして、掌篇「探偵志願の男」が、ボーナス?トラック的に掲載されています。
最も印象に深く殘ったのは、靜謐で凜としたたたずまいを感じさせる文章の趣でしたね。雨が降る中からしみ出してくるような、孤愁に満ちたハードボイルドの雰囲気。それが身にしみて、ぐっときました。酔わされました。
収録作品の中では、「子供を失った男」「二四〇號室の男」「歩道橋の男」「探偵志願の男」が、読みごたえあったなあ。どれも、銘酒を酌むような素晴らしい味わい。なかでひとつだけ選ぶとしたら、「歩道橋の男」でしょうか。スピーディーで、変化に富んだ展開。鍵となる人物が、表立って登場しないところ。後を引く余韻。珠玉の名品です。
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