伊勢物語

出版時間:1976-9  出版社:新潮社  作者:渡辺実校注  
Tag標(biāo)簽:無  

內(nèi)容概要

全125段からなり、ある男の元服から死にいたるまでを數(shù)行程度(長くて數(shù)十行、短くて2~3行)の仮名の文と歌で作った章段を連ねることによって描く。章段の冒頭表現(xiàn)にちなんで、この主人公の男を「昔男」と呼ぶことも古くから行われてきたが、歌人在原業(yè)平の和歌を多く採録し、主人公を業(yè)平の異名で呼んだりしている(第63段)ところから、主人公には業(yè)平の面影がある。ただし主人公が業(yè)平とあらわに呼ばれることはなく(各章段は「昔、男…」と始まることが多い)、王統(tǒng)の貴公子であった業(yè)平とは関わらないような田舎人を主人公とする話(23段いわゆる「筒井筒」など[1])も含まれている。中には業(yè)平?jīng)]後の史実に取材した話もあるため、作品の最終的な成立もそれ以降ということになる。
各話の內(nèi)容は男女の戀愛を中心に、親子愛、主従愛、友情、社交生活など多岐にわたるが、主人公だけでなく、彼と関わる登場人物も匿名の「女」や「人」であることが多いため、単に業(yè)平の物語であるばかりでなく、普遍的な人間関係の諸相を描き出した物語となりえている[2]。
複數(shù)の段が続き物の話を構(gòu)成している場合もあれば、1段ごとに獨(dú)立した話となっている場合もある。後者の場合でも、近接する章段同士が語句を共有したり內(nèi)容的に同類であったりで、ゆるやかに結(jié)合している?,F(xiàn)存の伝本では、元服直後を描く冒頭と、死を予感した和歌を詠む末尾との間に、二條后との悲戀や、東國へ流離する「東下り(あずまくだり)」、伊勢の斎宮との交渉や惟喬親王との主従愛を描く挿話が置かれ、後半には老人となった男が登場するという、ゆるやかな一代記的構(gòu)成をとっている。一代記というフレームに、愛情のまことをちりばめた小話が列をなしてる様を櫛にたとえて櫛歯式構(gòu)成という學(xué)者もいる。さらに、そうした結(jié)合を相互補(bǔ)完的なものと見なし、章段同士を積極的につないでゆく読みとして、田口尚幸の「相補(bǔ)論」=「つなぎ読み」がある。
作中紀(jì)氏との関わりの多い人物が多く登場する事でも知られる。在原業(yè)平は紀(jì)有常(実名で登場)の娘を妻としているし、その有常の父紀(jì)名虎の娘が惟喬親王を産んでいる。作中での彼らは古記録から考えられる以上に零落した境遇が強(qiáng)調(diào)されている。何らかの意図で藤原氏との政爭に敗れても、優(yōu)美であったという紀(jì)氏の有り様を美しく描いているとも考えられる。

作者簡介

作者、成立共に未詳。物語の成立當(dāng)時から古典教養(yǎng)の中心であり、各章段が一話をなし分量も手ごろで、都人に大変親しまれたと考えられている?!涸词衔镎Z』には『伊勢物語』を「古い」とする記述が見られ注目されるが、一體『伊勢物語』の何がどの位古いといったのかは説が分かれており、なお決著を見ていない。
作者については古くから多く意見があった。藤原清輔の歌學(xué)書『袋草子』や『古今集注』の著者顕昭さらに藤原定家の流布本奧書に作者は業(yè)平であろうと記述があり、さらに朱雀院の蔵書塗籠本にも同様の記述があったとする。また「伊勢」という題名から作者は延喜歌壇の紅一點(diǎn)の伊勢であるとの説もあり、二條家の所蔵流布本の奧書に伊勢の補(bǔ)筆という記述がある。このように『伊勢物語』の作者論は、作品そのものの成立論と不即不離の関係にあり、『古今和歌集』と『後撰和歌集』の成立時期の前?間?後のいずれの時期で成立したかについても説が分かれていた。しかし近年では、『伊勢物語』と実在の業(yè)平とのあいだには一線を畫す必要があると考えられている。[3]
現(xiàn)在行われている成立論のひとつとして、片桐洋一の唱えた「段階的成長」説がある。元來業(yè)平の歌集や家に伝わっていた話が、後人の補(bǔ)足などによって段階的に現(xiàn)在の125段に成長していったという仮説である。ただし増補(bǔ)があったとするには、現(xiàn)行の125段本以外の本がほぼ確認(rèn)できないという弱みがあり、段階的な成長を説くことに対する田口尚幸の多角的な批判もある。また、最終的に秩序だって整理されたとするならば、その整理者をいわゆる作者とすべきではないか、という指摘も見られる。近代以前の作品の有り方は、和歌にせよ散文にせよそれ以前の作品を踏まえるのが前提であると考えられ、現(xiàn)代的な著作物の観念から見た作者とは分けて考える必要がある。
そのような場合も含めて、個人の作者として近年名前が挙げられる事が多いのは紀(jì)貫之らである。[4]しかし作者論は現(xiàn)在も流動的な狀況にある。

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