出版時間:2003 出版社:角川書店 作者:京極夏彥
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內(nèi)容概要
泉鏡花賞受賞作『嗤う伊右衛(wèi)門』にも登場する小股潛りの又市が、江戸の世を舞臺に悪黨を退治する時代小説の第1弾。デビュー作『姑獲鳥の夏』に始まる「憑き物落とし」中禪寺秋彥が活躍する作品群とは、また味わいの異なる妖怪シリーズだ。
寺への帰路で豪雨に見まわれ、やむなく途中のあばら屋に逃げ込んだ1人の僧。小屋には白裝束の御行、人形遣いの女、そして初老の商人と若い男が居合せていた。雨宿りの余興に始まる「百物語」。一見無関係な怪談話は、意外な符號を伴って僧の心の內(nèi)で形を成す。小屋の外では「しょり、しょり」と何者かが小豆を磨く音が。やがて僧は、恐るべき怪異と出會う…。
立ち現(xiàn)れるのは、江戸時代の絵師竹原春泉の『絵本百物語』に描かれる小豆洗い、白蔵主(はくぞうす)、舞首、芝右衛(wèi)門貍、塩の長司、柳女、帷子辻(かたびらがつじ)の7妖怪。又市をはじめとする小悪黨一味、山貓廻しのおぎん、事觸れの治平らは巧妙な罠を十重二重(とえはたえ)に張り巡らせ、どうにも立ちゆかない事態(tài)を「妖怪」のしわざとして収める。著者自身の言葉を借りれば、本作は、難事件を「妖怪」と名づけて払い落とす中禪寺のシリーズの「裏返し」なのだそうだ。
又市は「悪黨だから死んでもいいなンていううざってェ小理屈も俺達にゃァ関係ねェ」とうそぶく。そして「悲しいねぇ」と言葉を継ぐ。登場する妖怪たちは、人間の心の闇や業(yè)(ごう)が形を成した末の「悲しい姿」だ。そもそも春泉の『絵本百物語』は人間の醜い心を風(fēng)刺したものでもある。その業(yè)を見據(jù)える又市の姿が、たんなる勧善懲悪の時代劇ではない深みを物語に與えている。(中島正敏) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。
作者簡介
京極 夏彥
小説家、意匠家。1963年北海道生まれ。1994年、かねてよりアイデアを溫めていた妖怪小説『姑獲鳥の夏』で鮮烈な小説家デビュー?!瑚汪uの匣』で第四十九回日本推理作家協(xié)會賞、『嗤う伊右衛(wèi)門』で第二十五回泉鏡花文學(xué)賞、『覘き小平次』で第十六回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された當(dāng)時に掲載されていたものです)
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