屋上への誘惑

出版時(shí)間:2001/03  出版社:巖波書(shū)店  作者:小池昌代  
Tag標(biāo)簽:無(wú)  

作者簡(jiǎn)介

著者は、いま最も注目されている詩(shī)人の1人。『永遠(yuǎn)に來(lái)ないバス』(1997)で現(xiàn)代詩(shī)花椿賞を、『もっとも官能的な部屋』(1999)で高見(jiàn)順賞を受賞。本書(shū)は初のエッセイ集だ。40篇のどれも、日常よく見(jiàn)るシーンを入口に、柔らかな言葉で、ゆるい傾斜の坂道を上るように、じっくり書(shū)き進(jìn)めていく。それは、大方の読者の、感情や思考の足腰のリズムに沿った速度なので、読者も実際にその場(chǎng)で視界を共にし、物に觸っていくような快さがあり、官能的でさえある。
たとえば、娘に自分と同じ「悪」のにおいを嗅ぎつけた母の怒り、人肉をむさぼるようにカニを食らう男女の寸景、大枚を懐に一人そばがきを愉しむ瀟灑(しょうしゃ)な老人とのひとくさりなど、小説に発展していきそうな篇があり、あるいは體溫のある言葉で思索された批評(píng)の篇がある。また、內(nèi)外の詩(shī)についてのエッセイも多く、その語(yǔ)りの魅力に案內(nèi)されながら、普段あまり読まない詩(shī)に出あう楽しみもある。
屋上といわれて、どこを想像するだろう。デパートの屋上、それとも職場(chǎng)のビルの屋上か。ここでは學(xué)校の屋上。夕暮れ、彼女はたったひとりで何を、誰(shuí)を待っている? もう誰(shuí)もいなくなった屋上の闇に、ボールのバウンドする音だけが響く。屋上は、何か起こっているのに忘れられているような、寂しい場(chǎng)所だ。ケイタイさえ持っていれば人にとりあえずつながるが、そのケイタイで、殺し殺される関係にも陥る?,F(xiàn)代を生きる若い女性たちが、ハンドバッグに蔵っている不安と孤獨(dú)もまた、この一集には漂っている。(中村えつこ)

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